デブサミ2010(1日目)

おもいっきり平日でしたが、なんとか午後からだけ参加させてもらいました。
本当に楽しみにしていたので、ほとんどのセッションを最前列で聞いてみました!

簡単に聞いたセッションについて感想を。

高性能・安定運用のためのLinux-DBシステム構築/運用技術 - 松信嘉範氏

  • LinuxでDB構築というのは、これからもよく出会う構成かなと思い参加しました。DB側での設定や運用のお話だけでなく、Linux環境でのストレージ、メモリ、CPUなどに関する注意点なんかも聞けて大変参考になりました。
  • 前半はLinuxでDB(MySQLPostgreSQL)を動かす際の注意点でした。その中で印象に残ったのは、「OSSを言い訳にするな」ということでした。「MySQL(PostgreSQL)だから〜」というのはよく使いがちだと思うので、本当その通りだなと思いました。また、ディスクアクセスをいかに減らすかということ、O/RマッパーではRDBMSが最適化していないSQL(DESCRIBEなど)を大量に実行することがあるので注意、という点なんかも参考になりました。
  • 後半は、メモリ、ディスクI/O、ファイルシステムの選択(あえてext2を使うことも考えてみる)、なんかについて、MySQLの具体的な設定を交えながらの話がありました。その他にも、使いこなしたいLinuxコマンドとして、「iostat」、「mpstat」、「oprofile」、「gdb」、「stap」なんかの紹介もあり、とても興味深かったです。次の日早速、会社のサーバで「mpstat」を使ってみたりしました。(シングルコアなのに・・・・)
  • 話を聞いてみて、LinuxMySQL(or PostgreSQL)に関する知識は、身に付けたい知識だなと思いました。この辺りをしっかり理解し対応出来るようになるとエンジニアとして強いのではないかと思いました。
  • 資料をアップしてくださっていますので、詳しくはそちらをご参照ください。

ドッグフーディングアジャイル開発 - 大澤俊介氏

  • 今回のデブサミでもアジャイル関連のセッションが多く、どれか参加したいと思っていたのでこのセッションに参加しました。
  • 最初しばらくはアトラシアンという会社の説明が続いたので「これは・・・」と思ったのですが、中盤からは具体的な開発の話なんかも出来て面白かったです。アジャイル開発をすることによる利点として挙げられた、「チームの士気の向上」、「緊張感」、「無理な機能追加をなくす(イテレーションで何度もリリースするため)」というのはその通りだなと思います。
  • 中でも「コードレビュー」は本人にとってもチームにとってもとても有用なものだなと思いました。「ペアプロ」が出来ればそちらの方がいいかなとは思いますが。
  • また、実際のアトラシアン製品を使用した「コードレビュー」のデモは興味深かったです。問題のあるソースコードの箇所に対して、コメントのやりとりをツリー状にひもづけられるのはとても面白く、空間的に一緒にコードレビューが出来ないような「オフショア」などの環境ではとても効果的だなと思いました。
  • アジャイルは特別な開発手法のように取り上げられていたりもしますが、チームのメンバーそれぞれが高い意識をもって開発に取り組めば自然にアジャイルで提唱されている手法を実践するのではないかと思いました。(開発の規模にもよるかと思いますが)

クラウドの構築事例 - 並河祐貴氏

  • 同じ時間にあった「kumofs」ととても迷ったのですが、「Amazon EC2」を仕事でうまく使えないかな〜という思いもあったので参加してみました。
  • セッションは、Amazon EC2について全然知識のなかった自分のような人間でも、とてもわかりやすかったです。EC2とEBS、S3の関連性や、API連携、リモートログイン方法、アクセス制限、実際の運用方法など、実際にサービスを作り運用されている方の話だったので、とてもわかりやすく説得力がありました。
  • Amazon EC2の場合は、ハード、ネットワークは面倒見てくれますが、OSより上は自分たちで責任持ってやってねということなので、全て任せっきりに出来るわけではありませんが、ハードという自分たちで持つと大変なものを任せられるのはとてもいいなぁと思います。サーバから夜中にハード故障のメールが来るのは少しでも避けたいですしね!
  • 資料
  • 本も是非とのことでした!

RDB入門〜アプリケーション開発者が陥りやすいDB開発の落とし穴〜 - 磯辺信雄氏

  • セッションタイトルにとても惹かれて参加してみました。
  • 内容は、実際のトラブルシューティングを題材としており、「トランザクション分離レベル」、「SQLの書き方」、「VIEW」、「マルチコア環境」なんかが取り上げられていました。
  • RDBに限らずですが、プログラムってとりあえずどんなつくりでもとりあえず動いてしまうだけに、今回取り上げられたような問題は、設計やフレームワークなんかできっちり潰しておくことが必要だな〜と思いました。また、マルチコア環境については、松信嘉範さんのお話でも出てきており、今後ますます意識する必要が出てくるのかなと思いました。

アーキテクチャに憧れろ - 『ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと』著者パネルディスカッション〜 - 鈴木雄介 氏/ 伊藤直也 氏/ 小野和俊 氏/ 江島健太郎 氏

  • 同時間帯のライトニングトークも聞きたかったのですが、伊藤直也さんに惹かれて今回はこちらに参加してみました。ディスカッションの中でも出てきた「任天堂」と「はてな」は京都が誇る企業だなと思ってます。(京都出身なので)
  • 話を聞いてみて一番感じたことは、話がうまいなぁということでした。このようなイベントやセミナーに行くといつも感じることですが、技術的に一流な方は皆さんとても話がうまいなぁと思います。難しい言葉を並べるわけでもなく、わかりやすく噛み砕いて説明されますし、質問されるとすぐに自分の考えをわかりやすくまとめて口にだせるのは本当にすごいなぁと思います。
  • 皆さん、基本的な考え方は近いものがあるのですが、細かいところでそれぞれの方たちの違いが出ていて面白かったです。
  • 内容の中で特に印象に残ったことを羅列してみます。
    • アーキテクチャはコミュニケーション。シンプルに始め、「今後必要になりそう」というものまで取り入れず、本当に必要なものだけで構成する。
    • いくら理想的なアーキテクチャでも、現実と乖離していれば浸透しない。
    • 標準とは「枯れたデファクトスタンダード」であるべきで、全く新しいものを標準にするとうまくいかない。
    • データセンターを持つことのメリットとデメリット。(特にサーバの自作を行っているはてなが今後どのような方向性を示していくのかはとても興味深いと思いました。)
    • はてなの技術面での考え。(自作サーバやPerlを使う理由、サービスを作ること、過去に作ったサービスをどうメンテしていくかということなど)
    • ペアプロ原理主義
    • はてな」のサービスに小学生たち大量流入。。
    • アーキテクチャは技術だけでなく「人」に興味があることが重要。
  • クラウドについて
  • 情報収集について
    • アンテナを立て過ぎて新しい情報を次から次へと追い求めていくと、発信が出来なくなってしまう。
    • 情報に流されず、情報をどんどん掘っていくことが大切。それには必ずしも最新の情報を追い求める必要はない。
    • 会社としては新しいものを追い求める人と、情報を掘っていく人それぞれいるといい。
  • 話を聞いていて、皆さんこれからも新しいものをどんどんと生みだされるのだろうなぁと思いました。

(帰って「ブラウザ三国志」調べてみました!)

まとめ

このようなイベントに参加することは、技術面で得るものももちろん多いのですが、自分のモチベーションを高めることが出来ること、いろんなエンジニアの方に出会えることが一番の魅力だと思いました。

また、セッションの他にも様々なコミュニティのブースがあったのですが、全時間のセッションに参加していたため、ブースに立ち寄る時間が思うように作れなかったのは残念でした。

また、来年も参加したいなと思いました!

http://codezine.jp/devsumi/2010/

関係者の皆様、お疲れ様でした。