インフラエンジニアDay #ied2010

インフラエンジニアではないですが、インフラについても知りたいので参加してみました。

対象者が「インフラエンジニアの方、クラウドコンピューティングに興味のあるエンジニアの方」となっている通り、内容はクラウドコンピューティングについてのセッションになっています。


以下、参加したセッションについてざっくりと感想を。
(内容ついては日記最後のリンクの公式HPやTogetterなどを参考にしてください。)

日本最大のユーザを誇るTwitterケータイクライアント『モバツイ』に見るインフラとしてのクラウドの有用性

藤川 真一 氏
  1. モバツイで実際に活用されているAmazonEC2についてのお話でした。
    1. AmazonEC2といえば個人的には、スパムメール送信に利用されているという話題で最近よく目にしていました。
  2. AmazonEC2については、デブサミ2010で並河さんのセッションでも聞いていたので大まかにはわかっていたのですが、今回のセッションを聞いて、さらにその有効性や運用時の注意点や難しさを知ることが出来ました。
    1. デブサミの感想をこちら http://d.hatena.ne.jp/koba04/20100221/1266733441
  3. モバツイは20、30代くらいの女性の利用者が多く、月に約3.1億PVあるそうでスゴイですね。Twitterって実際どのくらい浸透しているんでしょうね?そういうデータを見たことがないのでちょっと気になりました。
  4. 構成しては、Linux(?) + Apache + PHP + MySQLMemcached と画像プロキシサーバとなっているそうです。
  5. AmazonEC2だと、OS以上のレイヤーは自分で見ないといけないが、IPとPortによる制限、Sticky Session、httpの死活監視やロードバランシングなどは出来るので、運用も工夫次第でとても簡単に出来そうだなと思いました。また、インスタンスのイメージファイルを作成しておくことで簡単に複製出来て、スケールアウト出来ることは本当に魅力的だなと思います。
  6. 故障や大規模停止の話もありましたが、下記を見る限りSLAは99.95%のようですね。
    1. http://aws.amazon.com/ec2-sla/
  7. とても興味深かったのは、AmazonEC2では稼働時間に対する課金になるので、コーディングも含め如何にリソースを節約して運用することが大切という話です。システム構成やコーディングを見直すことが利用料金というコストに直接結びつくというのは、エンジニアにとってはとても面白いなと思いました。(AmazonEC2以外でもそうですが、AmazonEC2だとそれがよりはっきりと月の利用料金として感じられると思いますので。)
  8. AmazonEC2は、現時点では説明が英語であったり、海外への決済になるので支払いの難しさなどありますが、日本にもデータセンターが作られたりと今後ますます日本でも使われていくのではないかと思いました。

クラウド時代のためのインフラを知るマインドセットとスキルセット

山崎 徳之 氏
  1. クラウドというよくわからないものに対して、どうインフラエンジニアは関わっていくと良いかというお話でした。
  2. 最初マイクのトラブルなんかもありましたが、山崎さんの説明がとてもわかりやすく、インフラエンジニアではない自分でもとても勉強になりました。(次のパネルディスカッションでも感じましたが、本当に説明が上手いなと思いました。)
  3. その中で特に強調されていたのは、「クラウドは全てにおいての解ではない」ということだったと思います。
  4. クラウドが全てを解決するわけではなく、システムの要件に合わないと逆にコスト、パフォーマンス共に悪化することも十分考えられるということです。向いているものとしては、「負荷に時間的な偏りがある場合」であり、例として下記のような場合を挙げられていました。
    1. ソーシャルアプリ
    2. キャンペーンサイト
    3. バッチ処理 → Hadoop
    4. 開発やテスト環境
  5. そんな中でエンジニアとしては、そんな言葉に惑わされることなく、「ベンチマーク」をしっかり取ること、ハードウェア(特にストレージ)の知識の重要さを強調されていました。
  6. またクラウドを導入することで、拡張性は高くなりますが、これまで以上に設計は難しくなり、トラブルの頻度や難易度は高くなることも指摘されていました。
  7. そのような状況の中で、エンジニアとして情報収集を怠らないこと、分散環境などのインフラとアプリが交わる部分に積極的に関わっていくことの重要性はその通りだと思いました。もちろんアプリのエンジニアにとっても。
  8. クラウドを導入する際にはより設計が重要になるという話がありましたが、そこにはインフラエンジニアの知識や経験が必要とされるのではないかと感じました。
  9. クラウドをきっかけとして、インフラエンジニアの仕事はもっと楽しくなるし、注目されるようになる。そんなことを感じさせてもらったセッションでした。

クラウド・エンジニアサバイバル〜先が読めない時代に生き残るために〜

パネラー 藤川 真一 氏、大澤 貴行 氏、濱野 賢一朗 氏、山崎 徳之 氏
モデレーター 馮 富久 氏
  1. AmazonEC2をはじめ、クラウドの技術的な話はありましたが、エンジニアとしてのあり方の話がとても面白く印象に残りました。
  2. エンジニアが持つべきスキルとして、「コスト意識」や「コミュニケーション(プレゼン)力」を挙げられていました。そして「嘘」をつかないことも。
    1. お金を意識することについては、意見が分かれていましたが、会社としてやる以上避けては通れないし、そこを意識することでより無駄のない研ぎ澄まされたシステムを作ることが可能になるのではないかと思いました。
    2. また、自分の時間を使うことのコストも重要だと思いました。
  3. 「インフラエンジニアはもっと情報交換を」ということも挙がっていました。
    1. 上のコストの話ともつながりますが、一人で二人でやるほうが当然効率もいいですし、情報を発信することっと大きなモチベーションにもなるのでその通りだと思います。Perlなど他の勉強会に行くと、本当に皆さんの積極さや情報を発信する上手さにはいつも驚かされます。(そして飲むことの好きさも!?)
  4. インフラエンジニアは、アプリについても積極的に関わっていき、プログラムを読めたり書いたり出来るようになり、プログラマーとより密に関わることもこれからは求められるのではないかという話もされていました。
    1. スペシャリストになるかゼネラリストになるか。これってどの分野でも言われることで難しいですよね。個人的には、自分が得意とする分野が二つくらいあって、その他の分野についてもまんべんなく知っておきたいとは思っています。今回この「インフラエンジニアDay」に参加した理由もそこにあったりします。(ただの知りたがりだったりもしますが・・知らないって気持ち悪いですしね!)

まとめ

  1. インフラエンジニアではありませんが、インフラももっと勉強したいと思っている自分としてはとても参考になりました。
  2. クラウドは正直自分にとっては、KVSやHadoopなどの技術的な面で見えてきた部分はあるものの、まだ自分にとっては「雲」のままです。
    1. 今思ったのは、セキュリティについてもう少し突っ込んで聞いてみたかったなぁと思いました。
  3. バズワードとして「クラウド」が盛んに使われている現在の状況が終わった後、「クラウド」がどうなっているのかがとても楽しみです。
  4. より柔軟に新しいサービスがどんどん立ち上げられてる状況になっているといいなと思います。
    1. サービスを思いついた人がすぐに作って公開できるような。
  5. クラウドとして自身で保持する「ハード」が雲の向こうに行ったとき、インフラエンジニアは雲の使い方がわかる人材になっていると強いなと思いました。
  1. HP
    1. http://www.pasonatech.co.jp/campaign/cloud/
  1. Togetter
    1. http://togetter.com/li/23148


スピーカーの皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。