小飼弾のアルファギークに逢ってきた
小飼さんがアルファギーク(産業を変化させる力を持つ新しい技術に早いうちに飛びつき、技術が進むべき方向性を示す、先鋭的で飽きっぽいエンジニア)と呼ばれるとんがったエンジニアと対談を行っていく構成になっています。
この本を購入した目的はアルファギークと呼ばれる方たちがどのような思考を持っているのかということでした。
実際に読んでみると、対談形式ということもあって読み物としても面白くサクサクと読み進めることが出来ました。
〜ひとこと感想(敬称略)〜
- Ruby On Rails開発者 David Heinemeier Hansson
- どうしてRuby on Railsフレームワークを作ったのか、そこには設計のシンプルさや美しさがあることを感じ取れました。
- Perl開発者 Larry Wall
- Larry Wallのインタビューを読むのは初めてだったのでとても楽しみでした。少し日本語が話せるというのもビックリしました。Perl6のリリースについて聞かれて、「Perlが十分怠惰で傲慢になってから」という答えにLarryの人柄やPerlの性格をよく表現しているなとおもいました。Perl6はとても楽しみですが、十分怠惰で傲慢になってからリリースして欲しいなと思いました。
- (株)ライブドア 池邉 智洋/谷口 公一/ma.la
- 技術者視点によるライブドアを感じることが出来てとても面白かったです。SEって何?っていう視点、採用の際にコードチェックを行ったり、ブログのURLを送ってもらったりと、技術を大切にしているその姿勢はこれからも強い組織であり続けるだろうなと感じました。
- Twitter Co-Founder Evan Williams
- 2007年のインタビュー時と現在ではTwitterを取り巻く環境は劇的に変化しているので、組織のあり方も全然違うものになっているかもしれませんが、この方はずっと新しいものを生み出し続けるんだろうなと感じました。「好きを貫く」ことの強さを感じました。
- The Seesar Project チーフコミッタ ひが やすを
- 「達人プログラマー」著者 Dave Thomas
- Mozilla Corporation jQuery 開発者 John Resig
- jQueryは少し使っていて、javascriptはこれから勉強していきたいなと思っているので、興味深く読ませてもらいました。内容はかなり技術よりな話題が中心だったと思います。また、アメリカでjavascriptのコミュニティが成熟していないというのも意外でした。javascriptエンジニアはこれからますます必要とされ、増えていくかと思うので、彼の名前は今後ますます聞くことになるのかなと思いました。
- 「バイナリー2.0」「スルー力」の提唱者 高林哲
- 技術的な部分の話は、興味はあるものの正直理解出来ませんでしたが、技術面以外の話も面白かったです。その中で「苦手を克服するのに時間をかける」か、「得意を伸ばす」かという話題があり、これは考えさせられました。
- もちろん得意を伸ばして自分の強みを作るのは当然重要でやるべきだと思うのですが、そればかりでいいのかということ、でも幅広くといってももちろん限りがあるわけで、その辺りのバランスは難しいなと思いました。自分としては「とんがっていたい」という気持ちと「なんでも知っていたい」という気持ちがあります。
- Perl Mongers Ingy dot Net/Dave Rolsky/Jesse Vincent/C.L. Kao
- 「IT戦士」天野 仁史 & 「こんにちはこんにちは!」はまちや2
- このお二人ということでJavaScript、XSSやCSRFなどの話もとても興味深かったのですが、読んでいて一番感じたことはそのスピード感でした。小飼さんは「あちら側」との言い方をされていましたが、「興味を持ったことはとりあえずやってみる」、「とりあえず作ってみる」そのフットワークの軽さやいい意味での「軽さ」は見習いたいなぁと思いました。
- [スペシャル対談]きたみりゅうじの 小飼弾に逢ってきた
- タイトルを見たとき、面白い組み合わせの対談だなと思っていたのですが、その内容もとても面白いものでした。アルファギークな小飼さんに、受託開発をされていたきたみさんがインタビューを行う形式でしたので、その考え方の違い、小飼さんが感じておられる受託開発の問題点、これからのエンジニアの進むべき道など、今までの対談では聞けなかった話題がとても新鮮でした。また、モノ作りをする人は「自分をクビに持っていける状況に持っていけるかを常に考える」というのは指針となる言葉だなと思いました。
- 後編は、小飼さんのこれまでのキャリアについての話となっており、これはもう単純に「凄い」の一言です。
全ての対談を通して、ツッコむところはしっかりとツッコむなど、小飼さんの話の持っていきかたがすごく上手いなぁと思いました。