Android Bazaar and Conference 2010 Spring

Andriod携帯(HT-03A)を持っており、当然Androidにも興味を持っているので参加してみました。

基調講演:Androidの現在とメディアの未来

丸山 不二夫氏(日本Androidの会 会長、早稲田大学大学院 客員教授)
  1. 丸レク行きたいなぁといつも思いながら行けていないので、丸山先生の話が聞けるのはとても楽しみでした。
  2. 講義室に入るといきなりThe BeatlesのCome Togetherが流れておりなんだかワクワクさせられました。
  3. 立ち見が出るほどの満員の中、矢野りんさんによる挨拶があったりして講演開始。
  4. 内容はまさにタイトルの通り、Androidのこれまでや現在の状況、これからを具体的な数値などを示しながらのわかりやすい説明であり、Androidに対する全般的な状況を知ることができてとても勉強になりました。
  5. 次の講演でも出てくるAndroid2.2(froyo)についての説明もあり、とても期待させられました。
  6. Androidとの比較として何度か取り上げられたAppleですが、現在建設中のデータセンターは何に使うんでしょうかね?Appleクラウド??

招待講演:Android Updates and Q&A

Chris Pruett氏(Google Inc. デベロッパーアドボケイト)
  1. Googleの方の話を直接聞けるという貴重な機会でとても楽しみでした。
  2. 内容はタイトルの通り、Android2.2(froyo)を中心にAndroidがどう進化してきたかという内容とQ&Aでした。
  3. 丸山先生のお話とも少し重複していたのですが、実際のデモ画像も交えながらの説明もあり、とてもわかりやすかったです。
  4. JITコンパイラによる処理の高速化(2x-5x) 、javascriptの高速化(2x-3x)など以外にも、ブラウザからAndroid端末にインテントが送信出来るようになったり、Android端末をWifiルーターに出来たりと端末の可能性を広げる楽しみな機能がたくさんありました。
  5. Googleさんのデータによると現在利用されているAndroidのバージョンの割合は、「1.5」が25%、「1.6」が25%、「2.1」が50%となっているそうです。2.1いいな。
  6. 今回の話を聞いていて、AndroidAppleが追加する機能を厳選しているのと比較して、とにかく出来ることはどんどん可能にし、それを開発者や利用者に自由に楽しんでもらおうという思いがあるように感じました。

セカイカメラの育て方 〜ついにUSでリリースしました〜

栗田 正樹氏、高橋 憲一氏(頓智・株式会社)
石原 正樹氏(日本システム開発株式会社)
  1. iphone版で一躍有名になったまさにスマートフォンならではのサービスである「セカイカメラ」の育て方ということで、興味があり参加してみました。(セカイカメラは使ったことありませんが。。)
  2. セカイカメラでは、特に3Dによるエアタグの描写がとても重い処理になるので、そこを如何に重くならないにするかという話でした。そこでJavaからC++のコードを呼び出せる「NDK(Native Development Kit)」(PerlでいうところのXSみたいなもの?)という仕組みを使い、3D 描写を行う「Open GL ES」というAPIC++で呼び出し高速に処理するようにしているそうです。
  3. ただ呼び出す際のオーバーヘッドもあるので必ずしも早くなる訳ではないそうです。
  4. また、石原さんのお話は、Android版の開発の際に苦労した点についての話であり、SurfaceViewを用いた際のレイヤ周りの実装が特に大変だったそうです。Androidでは、各画面要素(コンポーネント)に「z-order」という番号が振られており、それはアプリ側で制御が出来ないそうです。(2.0からは出来るようになった?)
  5. この辺りは、Webアプリを作るのとは全然違う部分だと思うので、Webアプリの開発からAndroidアプリの開発に移行した際には、苦労しそうな部分だと思いました。

twicca的UIデザイン思考

青山 哲也氏
  1. 立ち見の方が沢山おられるくらい人気のセッションでした。自分もAndroidTwitterクライアントは「twicca」を使用しているので、とても楽しみでした。
  2. それまであったTwitterクライアントが重かったこと、UIが不親切であったこと、Javaを勉強したかったからという理由で開発されたそうで、確かにとても使いやすいクライアントだと思います。(個人的に黒がベースの色も好きです。)
  3. そんな訳で、UIに対するこだわりが詰まったセッションとなっており、「わかりやすく」て「早いレスポンス」であることが重要であると話されていました。
  4. ちょっと違うかもしれませんが、今回の話を聞いてWebアプリのUIについてよく考えるようになりました。UIは自ら使いやすさや使いにくさを体験出来るのに、いざ考えると難しいですね。なんか本でも読んで勉強したいなと思いました。
  5. 更新ボタン長押しでキャッシュクリアは知りませんでした。。

KDDI端末に対応できてない&アドモブ広告を入れてないSimeji

adamrocker氏
  1. こちらもIMEとして使わせてもらっています。「Simeji」というとよく記事などでかぶり物をした姿を見ており、自分の中ではAndroidアプリの象徴なイメージを持っていたこともあり、とても楽しみにしていました。
  2. 発表を聞いていた感じたのは、楽しんで開発を行われているなぁということで、楽しく自由な感じがAndroidっぽくて、Androidアプリの象徴と感じていたのもあながち間違ってなかったのかなと思ったりしました。
  3. 少人数での共同作業は「尊敬」と「納得」が大事という言葉がとても印象に残りました。

Android端末「IS01SH-10B」における、シャープの開発方針

白石 奈緒樹氏、 重田 大助氏(シャープ株式会社 通信システム事業本部 NB商品開発センターNB第1ソフト開発部)
  1. シャープのAndroid端末である「IS01SH-10B」の開発者の方による開発時の苦労なんかについての話でした。
  2. 開発された方が、「Zaurus」「Linux Zaurus」の開発も行われていた方ということを聞いて、なんだかとても納得しました。
  3. やはり実際に開発した方の話を聞いてみると、こだわりが沢山詰まっている端末なんだなぁとなんだか愛着を感じました。こんど家電量販店に行って実際に触ってみてそのこだわりを感じたいなぁと思いました。
  4. Androidの開発の注意点としては、
    1. 公開APIの挙動を変えない
    2. 公開することを意識する
    3. 新規機能の開発はオープンな技術を利用する
    4. 不明な点はGoogleに確認する

といったことを挙げられていました。実際にAndroid開発を行っていないのでピンとこなかった部分もあるのですが、今後開発したいなと思っているので、覚えておこうと思いました。

アプリ・コンテンツマーケット「andronavi」の機能紹介と配信サービスについて

徳間 康晋氏(NECビッグローブ株式会社 アプライアンス事業開発本部マネージャー)
  1. ビッグローブのパーソナルクラウド構想についての話と、その一環であるandronaviという独自のアンドロイドマーケットについてのお話でした。
  2. パーソナルクラウドとして、iphoneipadの間くらいである7inchのAndroid端末をデバイス、3GもWiFiも簡単に設定できる接続サービス、アプリのマーケットと、ハードもインフラもマーケットも全てをセットにしたサービスを考えておられるそうです。
  3. andronaviでは、 アプリが探しにくいと言われていた既存のマーケットを敷居を下げることを目的とし、ランキングや検索をPCからも可能とする他、アプリのレビュー、最初に入れるといいアプリの特集、達人のおすすめアプリなど、様々なアプローチからアプリの紹介をされているそうです。自分も知らなかったので使ってみようと思いました。
  4. 個人的には、Androidのヘビーユーザーの方のデスクトップを見るのは面白いなと思いました。
  5. http://andronavi.com/

Changes

小林 弘明氏(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 営業本部 マーケティング部 統括部長)
  1. Xperiaはこれからどうすんだという疑問があったので参加してみました。セッションの内容はXperiaのこれまでとこれからと感じでしたが、中でもAppleおよびiphoneについての言及が多く、「Appleさんのビジネスモデルはスゴし羨ましい」というメッセージに感じました。
  2. ソニー・エリクソンというと独自のこだわりを持った製品作りやマーケットを行っているという印象があったので、その辺りの感じられるのかなと期待していたのですが、iphoneに大して打つ手なしという印象が残ってしまったのは残念でした。

全体の感想

  1. 全体を通して感じたのは、Androidの世界は自由であるということです。
  2. それぞれの開発者がアイデアを自由に表現し、それを面白がり受け入れる環境がしっかりあるなということです。その自由さが一般ユーザーにとっては、敷居の高さや煩雑さを感じさせるのかもしれませんが、そこが面白い部分でもあるなと感じました。
  3. iphoneを作ることが出来るのはAppleだけですが、Androidは世界中のメーカーが端末を作ることが出来ます。数でいうとAndroidの方が圧倒的に多い訳で、いつかとんでもない端末が出てくることを期待したいなと思いました。そして、日本もメーカーも頑張ってほしいなと思いました。
  4. Android好きが集まるまさに文化祭のような楽しいイベントでした。iphoneが少数派であったことも印象的でした。


http://android.siprop.org/index.php?%A5%A4%A5%D9%A5%F3%A5%C8%2FAndroid%20Bazaar%20and%20Conference%202010%20Spring