IT業界を楽しく生き抜くための「つまみぐい勉強法」

タイトルに惹かれたのと、手軽にサクッと読みたい本を探していたので、購入して読んでみました。

感想

  • 「勉強法」について書かれた本は多々あり、それらの本に書かれていることは確かに正しいことなのですが、継続して実施することが難しかったりすることが多いかと思います。それに比べ、この本は一般的なエンジニアでも実践しやすいような勉強の方法について書かれています。また勉強会について書かれていたりなど、今のエンジニアの姿を反映したような内容になっています。
  • 全体の感想としては、わかりやすく平易な言葉で書かれているのでとにかく読みやすいです。また、各章の最後にその章で言いたかったことがまとめとして書かれていることで、より理解をしやすくしてくれています。
第1章 つまみぐい勉強法とは何か?
  • ここでは、ある技術について勉強していく中で興味がなくなってしまったら、そこに固執することなくどんどん他の自分が興味のあることを勉強していこうとしています。勉強することを習慣化することの重要さはその通りだなぁと思います。
  • 勉強することに対して嫌だという意識を植え付けないことがまずは第一歩なんですね。
第2章 守りの勉強法
  • ここでは、仕事に関する勉強法として、調べ方や質問の仕方について書かれています。
  • はてブなどのソーシャルブックマークの活用法や一次情報の重要性について書かれています。仕事での調べ物をする際はその情報が信頼出来るものかどうか示す必要があるので、この辺りの情報取捨選択はとても大事であり、難しいことだと思います。
第3章 攻めの勉強法
  • ここでは仕事以外でも楽しく勉強をする方法について書かれています。
  • 他のエンジニアはどの時間を利用して勉強しているのか?
    • 平日の夜自宅が一番多い
  • 本の選び方として、下記のようなカテゴライズをしています。
  • 本以外でもオープンソースのコードを読んでみることについても書かれています。未だと多くの方がgithubなどでコードを公開してくださっていますので、とてもありがたいですね。
  • またブログによる情報発信やEvernoteの活用についても書かれています。記事を読むだけだとわかったつもりで終わりがちですが、それについて自分なりにまとめてみようとすると、自分が本当はどれだけ理解出来ているのかがはっきりするので、誰かに知ったことを伝えることはとても重要だなと思います。
  • 翻訳しよう。人の役にも立つし、技術について書かれた文章の訳はやりやすいし、英語が母国語でない人もたくさんいるから大丈夫。
    • これは自分もやりたいと思いつつ出来ていない部分なので、頑張らないとなぁ思わされました。(ほんの少しだけ英語に抵抗感はなくなりつつありますが。。)
第4章 勉強法座談会
  • ここでは、勉強会マスターな「吉岡弘隆さん」、「懸田剛さん」、「牛尾剛さん」による座談会になっています。
  • このお三方がどのように勉強をしてきたのか、勉強会の意味とは?、新人の勉強法についてなど、これから何をどうやって勉強していけばいいのかについてのヒントがたくさん詰まっています。
  • 吉岡さんが強調された「コンピュータサイエンス」の知識の重要性については、自分自身も必要だと思いながらなかなか着手出来ていない部分でもあったので、耳の痛い話だったり。。
第5章 勉強会に行こう
  • 第4章で紹介した勉強会について、参加したことない人向けの紹介がされています。
  • また、勉強会参加の10のメリットとして下記が挙げられています。
    1. ファミリーを作る
      • 勉強会に行くと普段ではなかなか出会えない高い志を持った方たちに出会えるので、これは本当に大きな魅力だと思います。自分もファミリーと呼べる仲間を作りたいなぁと思います。
    2. 日常に変化を与える
      • 勉強会に行くと自分ももっと頑張らないとと思わせてくれます。
    3. 方向性を正す
      • 確かに自分が勉強している内容や方向性が正しいのかということも感じられるという側面もあるのかなと思いました。
    4. リーダーシップをのばす
      • 自分が運営側に参加することで伸ばせると思うので、積極的に運営にも参加していきたいと思います。
    5. 世の中の流れを知る
      • 勉強会のセッションやLTを聞くことで、皆さんがどのような技術や動向に興味を持っているのかを知ることが出来るので、よりその技術の面白さを感じることが出来ると思います。また、これから広まっていくであろう新しい技術を一足先に知ることが出来る点も魅力だと思います。
    6. 初心者レベルからロケットスタートする
      • 確かに一人でネットで調べたりするよりも、目の前で高い技術力を持った方に説明してもらうというのは、とても贅沢で理解しやすいと思います。いつか自分も与えられる方にならないとなと思います。
    7. ストレスへの耐性を付ける
      • これは会社以外での自分の居場所作りと自信がつくことの影響として挙げられています。ちょっと違うかもしれませんが、閉塞感を脱するという効果は感じます。
    8. 高い目標を発見する
      • これは大きなメリットだと思います。セッションやLTを聞いていると、スゴイなぁと思う反面、自分に対して危機感を感じる部分があります。自分も少しでも近づけるべく努力しないとなぁという気持ちにさせてくれます。
      • また、発表者の方の発表の上手さも見習いたいなぁと思います。
    9. 自分のブランドを確立する
      • これは、自分が意見を出すことで得られるメリットですね。自分がどのような技術に興味を持っていて何が出来るかを知ってもらうということは大事だと思います。
    10. 出版デビューのチャンスをつかむ
      • これは、自分の力を認めてもらった結果だと思うので目標ですね。
  • その他にも勉強会の探し方として「ATND」や「こくちーず」の紹介(「IT勉強会カレンダー」も是非紹介して欲しかったです。)や、参加する際に準備しておいたほうがいいことなどが、勉強会に参加したくなるように紹介されています。
  • また、勉強会に参加することに対する注意点として紹介されている下記のエピソードは興味深かったです。

「本日PHP関連の勉強会に参加しまくっているという方を面接した。GETとPOSTの違いすら理解していなかった。」

    • 勉強会に行って話を聞いていると、つい自分もその話の内容について理解出来たと錯覚してしまうことがあるので、実際に手を動かして試してみることや、アウトプットしてみることはとても重要だなと感じます。
  • その他注意点として、ATNDなどで無断キャンセルをしないことや、ハンドルネームはころころ変えないなどの注意点も挙げられています。
  • また、参加するだけでなく自分でも開催してみることも勧められており、自分もとりあえず社内からでも始めようかと思いました。
  • と、勉強会について書かれている本章は、本書の中でもかなり力を入れて書かれており、現在のエンジニアの勉強において、著者が「勉強会」を如何に重要視しているかということを物語っているのではないかと思います。
第6章 勉強を思考タイプ別に攻略!
  • 読書の勉強法についてをそれぞれ幕末の志士4人に例えて説明するというちょっと息抜きのような章になっています。
  • 自分は、山形有朋であり、何故か「るろうに剣心」を思い出してしまいました。
第7章 家庭を持っている人の勉強の仕方
  • 最後は家庭を持っている人がどのように勉強したり勉強会に参加しているかということを、アンケートを中心に説明されており、自分もその一人としてとても興味深く読ませてもらいました。
  • 自分自身も「土日はどちらか一日だけ」しか参加しないなど制限をかけているところがあります。あと、休みの日は特に懇親会に参加しにくい感じがあります。でもこれからは、なんとか説明してどんどん参加していこうと思っていますが。。
まとめ
  • 後半が勉強会について書かれているため、読後は勉強会についての印象が強いですが、全体を通じて勉強することを楽しもうという意識をもたせてくれる本になっていると思います。
  • 仕事が面白くないと感じたときや、勉強することが辛くなってきたときに気軽に読むといいんじゃないと思う一冊です。